ほっとタウン - 2013年08月号 -  公益財団法人 荒川区芸術文化振興財団

ほっとタウンは荒川区芸術文化振興財団が毎月発行している、荒川区の地域情報誌です。区内の様々な情報や、区民のみなさまが参加されている各団体の活動、区内のイベントなどを掲載しています。


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広告のお申し込みは・荒川区芸術文化振興財団☎3802-7111ACC         2013年8月号NO.296I02高田裕士さんたかだゆうじデフリンピック日本代表陸上選手情報満載のオフィシャルサイトへアクセス!ACC公益覚障がい者は出場できないということを知らない人が多いのではないでしょうか。デフリンピックを少しでも多くの人に知って欲しい、そして、障がいがある人、特に子ども達に夢を持ってがんばって欲しいと常々思っている高田さん。トロントでの銅メダル獲得を荒川区長に報告した表敬訪問がきっかけで、荒川区の障害者大運動会やリバーサイドマラソンにも奥さまと息子さんのご家族3人で参加されています。そうした折、大きな夢を明るく語る高田さんは、子ども達にとても人気の存在です。 実は奥さまの千明さんも障がい︵全盲︶を持つアスリート。2011年、視覚障がい者の世界大会で、200メートル銀メダル、100メートル銅メダルと全盲日本人女子初のメダルを獲得しています。そして、先月中旬にフランス・リヨンで開催されたIPC︵国際パラリンピック委員会︶陸上競技世界選手権大会で、100メートルと走り幅跳に出場されました。 ご夫婦そろっての世界大会への出場、そして高まるメダルへの期待。日本を代表するアスリートの活躍を大いに話題にして盛り上げ、これからも応援を続けていきたいと思います。 ﹁デフリンピック﹂という名称をご存知ですか?ろう者︵聴覚障がい者︶=デフ︵DEAF︶とオリンピックを組み合わせたもので、4年に1度開かれる、ろう者の国際的なスポーツ大会です。先月26日から今月4日まで、ブルガリアのソフィアにて、第22回夏季デフリンピック競技大会﹁ソフィア2013﹂が、今まさに開催中です。 このソフィア2013の陸上競技に、荒川区で生まれ育ち、世界で活躍するデフアスリート、高田裕士さんが出場しています。ソフィア出発に向けて練習に勤しむ日々をぬって、﹁僕のルーツは荒川﹂という高田さんに子どもの頃のお話やデフリンピックにかける意気込みなどを語っていただきました。なお、高田さんは先天性聴覚障がい者ですが、唇の動きから会話を読み取り、通訳者を介せず、ご自分の声で語られています。仲間とのコミュニケーションが大切荒川で遊びながら学んだこと 高田さんが生まれ、13歳で引っ越すまで、ずっと住んでいたのは南千住。幼稚園から小学校、中学校と区外のろう学校に通いながら、帰宅後に近所で遊ぶのが楽しみだったと言います。 ﹁僕は小さい頃から走るのが好きで速かったこともあり、近所の友達が缶蹴りやサッカーを一緒にやろう!とよく誘ってくれました。耳のことがあってよく聞こえなくても、身体を動かすことで意志は通じていくものなんです。夏は虫を取りに行ったり、南千住の天王公園の大きな滝のある噴水でバシャバシャ遊んだりしました﹂ 中学・高校は野球部に入り、当時はプロ野球選手に憧れたそうですが、高校時代に肩を傷めて野球を断念。陸上競技を始めたのは大学に入ってからだそうです。高田さんは中学時代に駅伝に借り出されて走ったら区間賞を取ったことがあり、自分では長距離が得意と思っていたそうです。 ﹁大学の陸上部で、監督が400メートルに向いていると言ったのがきっかけで始めてみました。400メートルってとてもキツイ種目ですが、練習した分だけ結果がかえってくると思うので、僕に向いていたんです。最初はトレーニングもよく分からないし、苦しくてやめようと何度も思いましたが、監督や先輩など、周りが支えてくれました。励ましあったりケンカしたり、仲間と一緒だから続けることができた。その原点は荒川でみんなと遊びながら、コミュニケーションを育くむ大切さを知ったことにあると思います﹂開催中のデフリンピックをもっと多くの人に知ってほしい 400メートルハードルの日本記録保持者であり、国内外の大会で活躍する高田さん。2009年に初めて参加した台北での第21回夏季デフリンピックで400メートルと4×400メートルリレーに出場し、リレーで決勝5位に入賞。そして2012年、トロント世界ろう者陸上競技選手権大会にて、400メートルでセミファイナリスト、4×400メートルリレーでは銅メダルを獲得しました。 ﹁台北デフリンピックでは肉離れを起こして、悔しい思いが残りました。その後のトロントでは日本史上初のメダルを取り、リベンジすることができました。歴史あるデフリンピックですが、日本では知名度が低く、今回のソフィア2013をテレビなどで観戦していただくのは難しいかと思いますが、目標は、デフリンピックで金メダルを獲得して、息子にプレゼントすることです。﹂と熱く語る高田さん。 オリンピックと同じ年に同じ場所で開催されるパラリンピック︵身体障がい者の国際スポーツ大会︶に聴今日の練習が明日につながる。     跳べ、輝くメダルを目指して!■プロフィール1984年11月、荒川区生まれ。横浜国立大学を卒業し、先天性聴覚障がい(ろう)を持つ陸上競技選手として活躍。エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社所属。2012年トロント世界ろう者陸上競技選手権大会にて、400Mセミファイナリスト、4×400Mリレー決勝3位入賞・銅メダル獲得。国際大会トラック種目における日本史上初のメダルを獲得。デフリンピックソフィア2013日本代表。2012年荒川区障害者大運動会第10回日本聴覚障害者陸上競技選手権大会第22回夏季デフリンピック競技大会ソフィア2013日本選手団の活躍やメダル獲得数などが見られます。HTTP://WWW.JFD.OR.JP/SC/SOfiA2013/高田さんのオフィシャルブログHTTP://AMEBLO.JP/TAKADA-YUJI-BLOG/7月26日 開会式8日1日 陸上400Mハードル予選・決勝  3日 陸上4×400Mリレー予選・決勝 4日 閉会式ソフィア2013 競技日程抜粋


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