ほっとタウン - 2013年10月号 -  公益財団法人 荒川区芸術文化振興財団

ほっとタウンは荒川区芸術文化振興財団が毎月発行している、荒川区の地域情報誌です。区内の様々な情報や、区民のみなさまが参加されている各団体の活動、区内のイベントなどを掲載しています。


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広告のお申し込みは・荒川区芸術文化振興財団☎3802-7111ACC         2013年10月号NO.298I02安藤玉恵さんあんどうたまえ女優情報満載のオフィシャルサイトへアクセス!ACC公益 平成25年度上半期のNHK連続テレビ小説﹁あまちゃん﹂で、北三陸観光協会の職員・栗原しおりを演じた安藤玉恵さん。フレッシュな主人公を囲むベテラン俳優・女優陣に混じって、ユニークなキャラクターで物語を彩ってくれました。安藤さんは生まれも育ちも荒川。都電荒川線宮ノ前駅から東京女子医科大学東医療センターに向かう商店街の中ほどにあるご実家、昭和25年創業のとんかつ屋﹁どん平﹂にて、﹁あまちゃん﹂出演時のエピソードなども交えつつ、お話を伺いました。 ﹁どん平は、戦後に紙芝居師などをしていた父が始めたお店で、デミグラスソースのかかったとんかつや、炎をあげて燃える酒鍋しゃぶしゃぶなどのオリジナル料理は父が亡くなって兄の代になった今も受け継がれています。小さい頃はこの商店街が遊び場で、いろんなお店の人たちによく遊んでもらっていました﹂ 西尾久保育園、宮ノ前小学校、尾久八幡中学校と進み、中学ではバスケットボール部で都大会にも出場。その後、外交官に憧れて上智大学に進学したものの、違和感が高じて退学。改めて早稲田大学に入学し、演劇サークルでお芝居に出会ったと言います。 ﹁なにげなく演劇サークルに入ったら、変わった人ばかりで。私はそれまで変わってるねと言われることが多かったんですが、それを認めてもらえたのが嬉しくて。個性的な人たちと関わるのが楽しくて、どんどんお芝居にハマっていったんです﹂ 大学卒業後は、劇団で活動しながら、なんと、サンパール荒川やサニーホールで受付スタッフとして働いていたこともあったそうです。 ﹁照明家でもあり、サニーホールなどの管理会社を経営する大野洋︵おおの・よう︶さんが早稲田で講師をされていたことがあって、授業を受けたのがご縁で雇っていただいたんです。劇団の活動とアルバイトの両立は難しいのですが、お芝居に理解がある大野さんのおかげでずいぶん助けられました。そうそう、当時、アルバイトしながらホールに置いてある﹃ほっとタウン﹄を見て、将来これに載ったらいいなって思っていたんですよ﹂ 劇団の活動を続けて行くなか、舞台を見た廣木隆一監督に声をかけられ、2003年には女優として本格的に映画デビュー。以来、﹁余命1ヶ月の花嫁﹂︵廣木隆一監督︶、﹁松ヶ根乱射事件﹂︵山下敦弘監督︶、﹁ぐるりのこと。﹂︵橋口亮輔監督︶など、次々と映画出演が続いていきます。2012年公開の﹁夢売るふたり﹂︵西川美和監督︶の演技では、第27回高崎映画祭最優秀助演女優賞を受賞しました。 そして、大人気となったNHK連続テレビ小説﹁あまちゃん﹂への出演で、親しみやすさとユーモアあふれる演技を全国に印象づけました。 ﹁長丁場でしたが、現場には笑いが絶えず、私も﹃あまちゃん﹄のいちファンになって見ることもできて、とても楽しい現場でした。先輩方の演技を間近に見たり、アドバイスをいただいたり、勉強になりました﹂ 観光協会の職員で、普通に見えて実はユニークな﹁栗原ちゃん﹂。特に印象的だった、職場で誰もいないと思って踊りまくるシーン︵第46話︶について伺ってみました。 ﹁栗原ちゃんは一見おとなしそうなイメージですが、宮藤官九郎さんの作品ですから、そのままで行くはずがない、絶対に何かある!と予想していました。あのシーンの台本を読んだときはびっくりでした。自分の頭の中だけで鳴っている曲に合わせて踊るのか?って。見ている人には曲は聞こえないわけですから。テスト、本番など全部で6回踊りましたが、監督からの注文は毎回﹃楽しませてください﹄でした。おまかせされると緊張もしますが、もう踊っちゃえって。毎回違う踊りを踊ったんですが、笑ってもらえてホッとしました﹂ 身体をはって周りを楽しませてしまうサービス精神は父親ゆずりかも、と言う安藤さん。荒川に暮らす演劇人として、映画などの撮影場所の誘致や舞台芸術を発信するアートセンターの創設、子どもたちのための朗読会やワークショップなどにも積極的に関わっていきたいという夢も語ってくれました。今後も、たくさんのスクリーンや舞台、テレビで、また時にはひょっこりと荒川の街角で、さまざまな表情の安藤さんに出会えることでしょう。「あまちゃん」で全国に印象づけた 親しみやすさとユーモアあふれる演技■プロフィール1976年8月8日、荒川区西尾久生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。演劇ユニット「ポツドール」などで数多くの舞台に出演、2003年、本格的に映画デビュー。現在は、映画やテレビドラマをはじめ、幅広く活躍中。2013年、第27回高崎映画祭最優秀助演女優賞を映画「夢売るふたり」(西川美和監督)で受賞。子どもの頃は地元商店街が遊び場長じてサンパールでバイト経験も大人気のドラマ﹁あまちゃん﹂楽しかった現場を振り返って舞台ブス会*『女のみち2012』(脚本・演出ぺヤンヌマキ)より写真:曳野若菜宮の前商店街にて映画:「マダム・マーマレードの異常な謎」2013年10月25日公開「私の男」2014年公開舞台:直人と倉持の会VOL.1「夜更かしの女たち」2013年12月13日∼29日本多劇場(東京)ほか地方公演あり安藤玉恵さん◆今後の予定◆


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