ほっとタウン - 2014年09月号 -  公益財団法人 荒川区芸術文化振興財団

ほっとタウンは荒川区芸術文化振興財団が毎月発行している、荒川区の地域情報誌です。区内の様々な情報や、区民のみなさまが参加されている各団体の活動、区内のイベントなどを掲載しています。


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ACC         2014年10月号NO.310I02ほっとチーム音楽ボランティアアンサンブル荒川情報満載のオフィシャルサイトへアクセス!ACC公益学校や施設での訪問演奏を中心に、毎年、夏と冬にはホールでの無料コンサートを行うなど、精力的に活動を続けている音楽ボランティア﹁アンサンブル荒川﹂。成功裏に終えたサマーコンサートの様子と音楽を通した活動についてご紹介します。 ﹁アンサンブル荒川﹂の年2回のコンサートのうちの1回であるサマーコンサートが、夏休み最後の土曜日、8月30日にサンパール荒川大ホールで開催されました。会場には、クラシックの演奏会ではあまりみられない、小さなお子様連れのご家族やヘルパーさんに介添えされた障がいをお持ちの方の姿も。﹁ファミリーコンサート﹂という名のこの演奏会は、どなたでも気軽に、しかも無料でオーケストラの響きに接することができるというのが特長です。毎回テーマが設けられたプログラムには、楽しみながら音楽を聴けるよう、さまざまな工夫がなされています。 コンサートの企画運営のほか、指揮者も務めるのが、﹁アンサンブル荒川﹂の代表であり、この団体の発起人の鈴木隆︵すずき・たかし︶さん。コンサートがどんな内容で行われたのかと、音楽ボランティアとしての活動意義について伺いました。 ﹁夏休みファミリーコンサート﹃動物と音楽﹄﹂と題した今年のサマーコンサートは、動物にちなんだ曲を集めたプログラム。たくさんの動物が登場するサン=サーンスの組曲﹁動物の謝肉祭﹂と、多くの人に馴染みのあるチャイコフスキーの﹁白鳥の湖﹂をメインに、子猫の鳴き声をヴァイオリンで奏でる﹁ワルツィング・キャット﹂やサイモン&ガーファンクルの﹁コンドルは飛んでいく﹂など、クラシックだけでなく、ポピュラー音楽や童謡なども織り交ぜた名曲の数々を解説付きで演奏。﹁動物の謝肉祭﹂の2台のピアノ演奏では現在音楽高校でピアノを学ぶ区内在住の星樹︵ほし・いつき︶さんに出演いただいたほか、第二瑞光小学校だれでも気軽に楽しめる   無料のオーケストラコンサート﹁気軽に演奏して、気軽に聴いていただく﹂    それが﹁アンサンブル荒川﹂の趣旨の音楽教諭、毛木大介︵もぎ・だいすけ︶先生にもお話やテノールの独唱で登場いただきました。演奏を聴いて動物を当てる音楽クイズや会場といっしょに歌うコーナーでは、客席ともに盛り上がり、あっという間の2時間でした。終演後のアンケートでは﹁楽器で動物の鳴き声が出るとは思わなかった﹂など、子どもたちからの嬉しいコメントも。 ﹁毎回テーマを設けることで選曲もしやすいですし、聴いているお客様も的を絞って聴くことができます。これがお客様にも団員にも好評なんです﹂と鈴木さん。 大学時代からずっとアマチュアの楽団に所属してきた鈴木さんは、﹁アマチュアだからこそできる活動があるのではないか﹂と考え続け、そしてひらめいたのが、子どもやお年寄り、障がいを持つ方たちのために演奏しようという活動でした。昔の仲間を誘い、ご自身のお子さんが通う幼稚園で演奏したところ、とても喜んでくれたことから、プロのように演奏ができなくても、やり方次第で楽しく聴いてもらえるのではないかと思ったそうです。 これを機に、2003年2月に荒川区社会教育団体及び障がい者福祉推進団体に﹁アンサンブル荒川﹂として登録し、5∼6人で活動を開始。簡単なホームページを作成し、団員を募ると、1ヶ月に10人単位で団員が増え、その年の10月に汐入小学校を訪問したときには、すでに40人に。その後、荒川区音楽連盟へも加盟し、コンサート時には60∼70人が集まる団体へと成長しました。 ﹁気軽に演奏して、気軽に聴いていただく﹂というのが﹁アンサンブル荒川﹂の趣旨。団員たちは、多くの人に気軽に生の音楽を聴いていただき、喜んでいただくという音楽ボランティア活動に賛同すると同時に、自らも演奏を楽しむことを大切にしています。パート譜を作成したり、編曲したり、できることはすべて団員が分担する大変さはありますが、会費は練習に来たら200円を払うだけ。気軽に続けやすい環境も多くの団員が集まるひとつの理由かもしれません。 老人ホームなどの施設では、小編成で演奏するため、いっしょに手を叩いたり、手をつないだり、おじいちゃんおばあちゃんと直に触れ合えるという素晴らしさがあります。一方、小学校の体育館での演奏では、生の楽器のお腹の底から響くような音に、子どもたちはかなりのインパクトを受けるようです。 ﹁学校から送っていただいた生徒たちの感想文は宝物として大切に保管しています。生徒たちの中の1人でも音楽に興味を持ち、楽しんでくれる子が育ってくれれば、この活動の価値はあると思うんです。私自身も小学校の音楽の先生にいろいろな音楽を聴かせてもらって好きになったので、これからも多くの子どもたちにオーケストラの生の音を聴かせたいですね﹂と、活動に対する想いを話してくださいました。 2003年に発足し、昨年10年の節目を迎えた﹁アンサンブル荒川﹂は、今までの活動を続けながら、新たなステップとして、小・中学校のブラスバンドや吹奏楽団とサンパール荒川での共演を目標に掲げています。手始めに今年2月、団員のお嬢さんが通う荒川区立第五中学校の吹奏楽団との共演を実現。その後の東京都中学校吹奏楽コンクールでは、尾久八幡中学校とともに、第五中学校の吹奏楽部がみごと金賞を受賞したという嬉しい知らせも届きました。現在、訪問演奏を希望する小中学校や共演してくれる吹奏楽部を募集中です。 そして次の大きな演奏会は、来年2月のウィンターコンサート。毎年冬は交響曲を1曲メインで演奏します。次回はベートーヴェンがナポレオンに捧げて作ったと言われる交響曲第3番﹁英雄﹂に決定。さらに﹁英雄﹂をテーマにヒーローやヒロインにちなんだ曲も演奏する予定とのこと。どうぞお見逃しなく。アンサンブル荒川 団員募集音楽ボランティア活動に参加いただける団員を募集しています。どんな楽器でも結構です。■お問い合わせ・見学のお申込み メールアドレス︵鈴木︶JOHTO-SUZUKI@NIFTY.COM ホームページHTTP://MOZART.LOMO.JP/ENSEMBLE-ARAKAWA/■練習会場荒川区立障害者福祉会館﹁アクロスあらかわ﹂      または﹁荒木田ふれあい館﹂■練習日時毎週日曜日午後ウィンターコンサート﹁英雄の音楽︵仮︶﹂ベートーヴェン交響曲第3番﹁英雄﹂ほか■日時2015年2月15日︵日︶午後■場所サンパール荒川大ホール夏休みファミリーコンサート「動物と音楽」より「アンサンブル荒川」代表 鈴木隆さんより多くの小・中学校への訪問演奏と  子どもたちとの共演が、今後の活動目標﹁動物﹂にちなんだ名曲の数々を集めた、       盛りだくさんのプログラム


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