ほっとタウン - 2014年08月号 -  公益財団法人 荒川区芸術文化振興財団

ほっとタウンは荒川区芸術文化振興財団が毎月発行している、荒川区の地域情報誌です。区内の様々な情報や、区民のみなさまが参加されている各団体の活動、区内のイベントなどを掲載しています。


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ACC         2014年8月号NO.308I02ほっとチーム荒川区民フィルハーモニー合唱団情報満載のオフィシャルサイトへアクセス!ACC公益創立35周年を記念する第21回定期演奏会では、多くの観客を魅了した﹁荒川区民フィルハーモニー合唱団﹂。演奏会を大成功に導いたその道のりについてお話いただきました。荒川区民フィルハーモニー合唱団 団員募集私たちといっしょに明るく、楽しく、元気に、歌いませんか。女声、男声どちらも募集しています。■お問い合わせ・見学のお申込み 電話︵小林︶090-1435-2015 ホームページHTTP://ARAPHIL.CAMES.JP/■練習会場荒川区立生涯学習センター■練習日時毎週土曜日・18時30分∼21時﹁福島市フェア﹂に参加します8月9日︵土︶に日暮里駅前広場にて荒川区主催で開催される﹁福島市フェア﹂に﹁荒フィル﹂も参加し、演奏します。 ﹁荒フィル﹂の名でお馴染みの﹁荒川区民フィルハーモニー合唱団﹂は、1979年に区の呼びかけで﹁ベートーヴェン第九﹂を歌う合唱団として結成された﹁荒川区民会館フィルハーモニー合唱団﹂が母体で、その後1985年、現在の名前に改称し、本格的に自主運営を開始。同じ年に、オペレッタ歌手として活躍する声楽家の佐藤一昭︵さとう・かずあき︶氏を常任指揮者として迎え、1989年には日暮里サニーホールのこけら落とし公演、オペレッタ﹁伯爵令嬢マリツァ﹂に出演。以来、歌と踊りが一体となったオペレッタを中心に﹁第九﹂や宗教曲、唱歌・民謡、さらにはフォークソングや映画音楽まで幅広いレパートリーを持ち、特色ある活動を続ける合唱団です。 去る6月22日、サンパール荒川で行われた第21回定期演奏会は創立35周年ということもあり、得意とするオペレッタやワルツに加え、石川啄木の短歌を合唱組曲に仕上げた委嘱作品﹁石川啄木の短歌による合唱組曲﹃啄木﹄﹂の初演にも挑みました。好評を博したこの作品の魅力と、今後の﹁荒フィル﹂の活動について運営委員長の小林眞隆︵こばやし・まさたか︶さんにお話を伺いました。 演奏会の曲目は、指揮者、ピアニスト、各パートリーダー、運営委員で構成された選曲委員会により、団員へのアンケートを取りながら選曲するのが通例ですが、今回のプログラムの中の第2部で披露した﹁石川啄木の短歌による合唱組曲﹃啄木﹄﹂は、指揮者の佐藤先生の発案により実現した企画。以前から短歌や俳句、詩といった文学に興味を持たれ、常に舞台の題材にできないかと木の生涯が簡潔に、しかも流れをもって語られ、日本語の持つ美しい響きと啄木の歌の素晴らしさに、客席では涙を拭く姿があちらこちらに。舞台上の小林さんを含む団員、指揮者、そしてナレーターの長谷川さんまでもが涙したそうです。 現在、団員数はソプラノ22名、アルト27名、テノール6名、バス6名の合計61名。年齢は30代から90歳に近い方まで幅広く、創立当時からのメンバーもいらっしゃるとか。 今後も歌と文学、歌とその他の芸術を融合したものにも積極的にチャレンジし、常に挑戦し続ける﹁荒フィル﹂でありたいと35年を迎えてなお意欲的。啄木が生まれた岩手や仕事をした北海道でも今回の﹁啄木﹂を披露できればという団員や指揮者の想いもあり、出張公演の実現も視野に入れていると言います。そして、これからも演奏会を通して、団員はもちろん、多くのお客様方といっしょに心から音楽を楽しみ、感動を共有したいというのが﹁荒フィル﹂の目指すところ。 そもそも﹁荒フィル﹂が得意とするオペレッタは、悲劇的な結末が多いオペラに対して、ほとんどがハッピーエンド。 ﹁曲も明るく、軽やかなものが多いですし、楽しく歌いながら、踊りや振りで身体を動かすことで、気持ちまでも明るく前向きにしてくれるのがオペレッタの醍醐味ですよね﹂と小林さん。音楽を心から楽しみ、多くの人と感動を分かち合いたいという﹁荒フィル﹂の想いと見る者、演じる者に楽しい気分を与えるオペレッタの魅力とが合致し、その喜びを団員たちが肌で感じているからこそ、息の長い活動が続けられるのかもしれません。オペレッタを中心に、   特色ある活動を続ける﹁荒フィル﹂〝挑戦し続ける﹁荒フィル﹂でありたい〟      35年を迎え、ますます意欲的。第21回定期演奏会「石川啄木の短歌による合唱組曲『啄木』」より荒川区民フィルハーモニー合唱団運営委員長小林眞隆さん佐藤一昭先生の指導のもと真剣に練習に臨む団員のみなさんいう視点で文学に接していらっしゃる佐藤先生が、テレビで啄木の番組をご覧になり、これだとひらめいたのが昨年の7月。﹁荒フィル﹂の舞台演出や脚本をお願いしている八木原良貴︵やぎはら・よしき︶氏に脚本を依頼し、作曲は、2008年にも﹁荒川区﹂を題材にした委嘱作品﹁混声合唱組曲﹃あらかわ﹄﹂を手がけてくださった作曲家の安藤由布樹︵あんどう・ゆうき︶氏に委嘱しました。 ﹁少しずつでき上がってくる譜面を手にしながら、自分たちの曲として創りあげていくという作業には、やはり多少時間がかかりました。昨年11月から練習に入り、佐藤先生の指導を受けながら歌い込むにつれ、曲が徐々に体の中に入っていき、回を重ねるごとに啄木の歌に引き込まれていきましたね。脚本家、作曲家、指揮者といったプロの方々の作品に対するご意見などを伺いながら、啄木の世界をいかに伝えるか、という一点にみんなの気持ちが向かい、ひとつになっていったような気がします﹂と小林さんは練習風景を振り返ります。 当日の演奏会場はお客さまで一杯。﹁荒フィル想い出の歌声﹂と題した第1部では﹁流浪の民﹂﹁美しく碧きドナウ﹂、﹁ブルーシャトー﹂などお馴染みの曲に加え、荒フィルが得意としているオペレッタより﹁ウィーンの辻馬車の歌﹂﹁ボエーム・デュエット﹂などアンコールを入れて4曲。 休憩をはさみ開演した第2部の﹁啄木﹂では、終演後の拍手が鳴り止まず、アンコールの声が掛かるほどの反響。団員たちも驚くと同時にとても嬉しく、まさに感無量。俳優の長谷川哲夫︵はせがわ・てつお︶氏によるナレーションでは、啄節目の演奏会で挑んだ委嘱作品は        歌人石川啄木の世界


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